主に金属でできた従来の硬いロボットとは対照的に,シリコーンなどの柔軟材料でできた柔らかいロボットが注目されています.柔軟さを活かして衝撃の少ない接触を実現したり,馴染むように変形することで多様な物体や環境に対応することが可能です.しかし,硬い物体に比べて柔らかい物体を解析することは難しく,先述したメリットを支える理論的な根拠は明らかになっていません.これに対し,当研究室では力学に基づいたモデルや制御則などの研究開発に取り組んでいます.柔軟性がどのようにロボットの役に立つのか,その原理から究明することで,例えば柔らかいボディと硬いボディの適切な組み合わせを検討することも可能になると期待しています.

 

柔剛一体ソフトロボットハンド

柔軟材料でできたソフトグリッパは,物体形状に沿った変形で把持物体を包み込み,安定した把持を実現したり,軟弱物体や脆弱物体を傷つけることなく把持したりできます.一方,低剛性で動作がばらつくため,力や精度を要する指先の微細動作が難しいという問題があります.本研究では,硬い駆動関節と柔らかいリンク構造を組み合わせたロボットハンドを提案し,ソフトグリッパが持つ柔軟性を活かしつつインハンドマニピュレーションのような微細動作の実現を目指しています.

 

伸縮屈曲可能な連続体ロボットハンド

インハンドマニピュレーションとは,ロボットのアームに頼らずに指だけで物体の位置や向きを調整する技術であり,工場での作業や精密な操作に役立ちます.しかし,現在のロボットハンドは関節の動きに制約があり,物体を自由に操作するのが難しいです.そこで本研究では,伸縮可能な連続体ロボットを指に利用することを提案しました.これにより,従来よりも広い範囲で物体を動かせることを確認しました.

 

 

柔軟関節モジュール

協働ロボットは環境との接触を免れないため、安全性の観点から、外力に対する適応性を確保することが求められます。本研究では、粘性要素と差動機構を利用した柔軟間接モジュールを開発しています。この手法により、高減速比と高い位置制御性能を維持しつつ、機構に逆可動性を与えることができます。